【葬送のフリーレン】「人は二度死ぬ」の再定義｜像と記憶の継承が物語に与える意味

「葬送のフリーレン」では、「人は二度死ぬ」という思想が物語全体を貫く重要なテーマとして描かれています。

亡き勇者ヒンメルをはじめとする仲間たちとの記憶の在り方とはどのようなものか、そして後の世代へとその継承されていく像の意味とは何なのでしょうか。

この記事では、原作をもとに以下を紹介・考察します。

 

アニメを見て、原作を読みたくなった場合は、【eBookJapan】が一番です！

葬送のフリーレン｜二度死ぬの意味は？

一度目は肉体の死・二度目は人々の記憶から消えることによる死

「二度死ぬ」とは、人の死が肉体的な終わりだけではなく、周囲の人々の記憶から消えたときに本当の意味で完全に失われるという考え方です。

「葬送のフリーレン」独自の考え方ではなく、作詞家の永六輔氏の言葉という説があります。

フリーレンは千年以上の時を生きるエルフとして、数えきれないほどの別れを経験してきました。

フリーレンにとって、人間の短い人生は一瞬の出来事に過ぎませんでしたよ。しかし勇者ヒンメルの死が、フリーレンの死に対する考え方を変えました。

勇者一行についてはこちらもぜひ。

【葬送のフリーレン】勇者一行を一覧でご紹介！年齢や強さ・死亡状況についてもまとめ葬送のフリーレンを語るうえで欠かせない存在といえば、勇者一行です。勇者一行の年齢や強さ、生存・死亡状況を一覧にまとめてみました。 これ...

フリーレンは、肉体の死を迎えたヒンメルたちの記憶を、その旅の経験として受け継ぎ、さらにフェルンたちに伝えていきます。

フェルンとフリーレンについてはこちらで紹介していますよ。

【葬送のフリーレン】フリーレンとフェルンの師弟関係｜親子的情愛と継承の物語「葬送のフリーレン」では、長命の魔法使いフリーレンと人間の少女フェルンが、師弟として旅を続けます。時を重ねて寄り添う二人の関係は、単なる...

フリーレンが抱くヒンメルへの記憶は、仲間を忘れさせまいとする強い意志として描かれています。ヒンメルの「二度目の死」への恐れが、彼女の行動の根底にあるように感じました。

フリーレンの考えが分かるシーンとしてアニメ1期9話、原作3巻第18話で断頭台のアウラの「ヒンメルはもういないじゃない｣という言葉に対して、フリーレンは怒りを露わにする一面が挙げられますよ。

フリーレンたちは、死者を「記憶」し続けることで、失われた存在に新たな意味と価値を与えています。

長いフリーレンの旅は、ヒンメルやフランメのような大切な人々を、二度目の死から守るためのものなのかもしれません。

葬送のフリーレン｜記憶と像の継承とは？

像は死者の記憶を未来へと生き続けさせる役割

© 山田鐘人・アベツカサ／小学館

像には死者の存在や記憶を未来へと生き続けさせる役割があると考察できます。

勇者ヒンメルの銅像は、仲間たちに「忘れられない存在であってほしい」という意図から建てられています。

勇者像についてはこちらで紹介していますよ。

【葬送のフリーレン】勇者像の多重解釈｜南の勇者が物語に残すメッセージとは「葬送のフリーレン」に登場する勇者像は、物語に深みを与える象徴的な存在です。勇者像はどおのように解釈するとよいのか。南の勇者の像が物語に...

勇者ヒンメルの像は各地に建立され、彼の偉業を称える象徴となっています。肉体としては死亡したヒンメルですが、像があることによって人々に記憶されて二度目の死は迎えていません。

フリーレンは各地に残されたヒンメルの像を見ては、ヒンメルとの思い出を語り、少しずつ感情を取り戻していきます。

ただしヒンメルの活躍から時間が経ち、一部の地域ではヒンメルの記憶が薄れているエピソードもありますよ。原作3話では、銅像の世話をする老婆以外がヒンメルのことを忘れてしまいかけていました。

© 山田鐘人・アベツカサ／小学館

フリーレンが像を磨く行為は、ヒンメルを二度目の死から救う象徴的な行為として描かれています。

像はただの石像ではなく、記憶の継承そのものといえると思いますよ。

葬送のフリーレン｜物語全体への影響

像と記憶の継承が物語に生きる意味を問いている

像と記憶の継承は、作中を通して「生きるとは何か」を根源的に問いかけています。人は肉体的に死んでも、他者の心の中で生き続けることができるという考え方は、作品全体を通じて強調されていますよね。

フリーレンは1話でヒンメルの死を受けてもっと知ろうと思わなかったことを後悔しました。フリーレン自身がヒンメルの死を通じて人間の儚さを理解し、ヒンメルの記憶を大切にすることで、フリーレン自身も成長していきます。

長い時を生きるフリーレンですが、ヒンメルの死をきっかけに二度死ぬことや記憶の継承について本気で向き合ったと考えられますね。フリーレン自身も、ヒンメルの死を通して「生きる意味」を再定義したのでしょう。

銅像と語り継がれる記憶がある限り、過去を生きた者たちは物語の中で永遠に生き続けます。

まとめ

今回は、人は二度死ぬことについて紹介しました。

肉体の終わりは第一の死、記憶の消滅は第二の死と言われることがありますが、ヒンメルの像は第二の死を防ぐ役割があると思います。

長命のフリーレンも、旅を通して記憶の継承というテーマに深く向き合うようになりました。

この機会にアニメをお得に視聴したい人はこちらの記事もぜひ。

【葬送のフリーレン】アニメ無料動画配信まとめ｜見逃し＆再放送や1話～全話フル視聴サイトは？評価感想や種﨑敦美など声優も葬送のフリーレンの見逃し配信や無料視聴動画サイトを紹介しますよ！ どの配信サイトがいいのか特徴とともに比較しておすすめしていますー！ ...

本ページの情報は2025年11月時点のものです。最新の配信状況は公式サイトにてご確認ください。